Berlinでゲイのパレードに遭遇しました。

7月20日のブログの続きです。今回のBerlinでのEOS(European Orthodontic Society)の学会は100周年記念ということで、会場もあのカラヤンが指揮をしていたPhilharmonic hall を借り切って行われました。 私がテーブルクリニックを行ったのは学会最終日(6月23日)の土曜日の午後2時から約1時間半だったのですが、セッションが終わりに近づいた頃(午後3時半頃)どこからか地なりのような、腹に響くような、強烈なビートの音楽が聞こえ始めました。

初めはPhilharmonic hall内でマーチングバンドの演奏会でもやっているのかと思ったのですが、どうやら音はPhilharmonic hallから100mほど離れた大通りの方から聞こえてきます。その音量たるやまさに「すさまじい」という表現がぴったりの大音響なのです(暴走族がとてつもないアンプとスピーカーを積んでビートのきいた音楽をがなりたてながら、暴走するアノたぐいです)。

そのときは周りの誰かが「通りで何かパレードをやっているようだ。」と言ったぐらいで別にそれほど気にもかけなかったのですが、テーブルクリニックをたたんでホテルに戻るために通りの方へ歩いていくと、まさにそのパレードに遭遇してしまったのです。 そのパレードをぼんやり見ていると街宣車のような大型バスの屋根の上のステージで、4-5人の筋肉モリモリのいわゆる「マッチョマン」が半裸で腰をくねらせながら楽しそうに踊っているのが目に入りました。

それで、そこにしばらく立ち止まって(実は警察により道路が封鎖されているので立ち止まらざるを得なかったのですが、、、)暫く眺めていて初めて何のパレードかがはっきりしてきました。 よく見るとパレードをしている人の中にはマッチョマンだけでなく、女装をした男性もいます。それで初めて「ははーん」と気づいたのですが、なんとゲイや同性愛者の大パレードだったのです。

後で分かったことですが、この6月23日というのはNew Yorkで警察と差別撤廃を求める同性愛者のデモ隊が衝突して死者やけが人が出た、記念の日で世界中で同性愛者のパレードが行われる日だそうです。中でも、Berlinのパレードは規模が大きく、今年はなんと40万人もの人が参加したそうです。

何しろ、ベルリンの市長からして同性愛者とのこと、、、私は何の予備知識もなく、いきなりこのパレードに出くわしたので面食らってしまったのですが、一つ言えることはみんな楽しそうで暴力沙汰などは皆無で、警察もごく当たり前のように交通規制や警備をしていて、なんともはやヨーロッパの爛熟した(?)文化に圧倒されてしまった経験でした。(ちなみに、後で聞いた話ですがこのパレードを目当てに世界中からBerlinに観光客が来るそうで、Berlin市にとっても貴重な収入源とのことです) 。

このパレードのお陰でこちらはホテルに帰るのにタクシーがなかなか拾えず、やっと拾えたと思ったら、至る所交通規制で、遠回りをしたため通常の3倍もの料金を払わされ、大迷惑だったのですが、、、。写真はそのときのパレードの一場面です。